脳神経内科
脳神経内科

脳神経内科は、脳、脊髄、末梢神経、筋肉に関わる病気の診断・治療を扱っています。特に神経変性疾患といわれる難病や、神経免疫疾患とよばれる免疫系の誤作動により自身の神経系を攻撃してしまう病気など、なかなか一般的な内科では対応が難しい病気の窓口となります。
パーキンソン症候群、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症などゆっくり症状が表れるため診断が難しい病気から、急性期の髄膜炎や脳炎、ギランバレー症候群など幅広く初期診断を行います。
多発性硬化症、重症筋無力症などの神経免疫疾患では特に、新しい治療薬が次々に開発されており、基幹病院との病診連携が欠かせません。
受診ハードルの高い診療科ではありますが、当院では診断・治療双方の窓口として気軽に受診いただけるよう心がけています。
脳の中にある「ドパミン」という物質が少なくなってしまうことで、脳からの指令が筋肉にうまく伝わらなくなり、体の動きがスムーズにいかなくなる病気です。高齢の方に多い病気ですが、65歳以上では約100人に1人の割合で見られるなど、決して珍しい病気ではありません。現在は良い治療薬が開発されており、早期に発見して適切な治療とリハビリを行うことで、これまで通りの生活を長く続けることが十分に可能です。
一つでも当てはまる症状があり、日常生活で気になっている場合は、一度当院へご相談ください。
パーキンソン症候群には、有名なパーキンソン病だけでなく、薬剤性パーキンソン病や、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症などの病気も含まれます。MRIなどで脳の状態を確認し、他の病気との区別もしっかり行います。
進行性の疾患ですが、早期から適切な管理を行うことで、日常生活の維持や症状の進行抑制が期待できます。長く付き合っていく病気だからこそ、専門治療のみならず合併症や転倒によるケガの対応など、患者様とご家族の負担を少しでも軽くできるよう、長期的な視点でサポートいたします。介護申請、指定難病申請、連携クリニックでの外来リハビリなどのご相談も承ります。
多系統萎縮症は、パーキンソン病と似ていますが、別の病気であり、症状がより多彩であるところが特徴です。αシヌクレインという物質が蓄積することにより、脳や脊髄の複数の神経系が同時に障害される進行性疾患です。50代以降で発症することが多く、国が定める「指定難病」の一つです。運動機能障害(歩行障害、姿勢保持障害)、自律神経症状(血圧変動、排尿障害、便秘)、パーキンソン症状、小脳症状(運動失調)など多彩な症状を呈します。
診断には神経学的評価、病歴の聴取のほか、MRIが有用です。脳幹部の十字サイン(Hot Cross Bun Sign)や、被殻のスリットサインなど特徴的な画像所見が有名です。根治は難しい病気でありますが、早期診断と包括的な支援が、患者様やご家族の生活の質向上に重要です。
脊髄小脳変性症は、小脳や脊髄の神経が徐々に萎縮する遺伝性または特発性の進行性疾患で、運動失調、歩行障害、手足の不器用さ、言語障害、嚥下障害などが見られます。症状はゆっくり進行しますが、日常生活に支障をきたすことがあります。
診断にはMRIや神経学的評価、家族歴の確認が重要です。様々な原因遺伝子が特定されておりますが、「遺伝子の異常=必ずしも遺伝する病気」ではありません。7割は特発性(=家族内の遺伝ではない)です。
筋萎縮性側索硬化症は、運動神経が進行性に障害される疾患で、手足の筋力低下や筋萎縮、嚥下・呼吸機能の障害が出現します。初期は手足の力の低下、階段でのつまずき、物を落としやすくなる、など軽微な症状から始まる場合が多くあります。ALSじゃないかと心配されて受診される方もいらっしゃいますが、その診断はさまざまな意味で容易ではありません。
初期は整形外科の病気を疑われる場合もあります。症状進行の有無を確認する、MRIで他の疾患を否定するなど、除外診断を徹底します。それでもなお、ALSが疑わしい場合には筋電図による精密検査が必須となりますので、さらなる専門医療機関への紹介を行います。
髄膜炎は脳と脊髄を覆う膜にウィルス、細菌、真菌などが感染する病気です。発熱、頭痛、首の痛み(項部硬直)、意識障害などが特徴です。細菌性髄膜炎とウィルス性髄膜炎(=無菌性髄膜炎)でその症状経過は大きくことなります。いずれも頻度は少ないものの、急激に具合が悪くなることもあります。
さまざまなウィルスが無菌性髄膜炎を起こしますが、なかでもエンテロウィルス、ムンプスウィルスが原因となることが多いとされています。エンテロウィルスは夏風邪、胃腸炎、手足口病などを引き起こす一般的なウィルスであり、ムンプスウィルスはおたふく風邪の原因として有名です。お子様や成人が、最初は風邪や胃腸炎だと思っていたら数日して熱が下がらず急激に頭痛がひどくなり、ぐったりしたり、意識がおかしくなったりするというのが典型的な経過です。嘔吐やけいれんを伴うこともあります。一般的には1―2週間で軽快することが多い、予後のよい髄膜炎です。まれに髄膜炎を繰り返す病態(モラレ髄膜炎)もあります。
細菌性髄膜炎はより重症の経過をたどることが多く、命や後遺症にかかわる場合もあります。しかし肺炎球菌ワクチンやヒブワクチンの普及により、日本では劇的に細菌性髄膜炎は減少しています。成人や高齢者、とくに基礎疾患をお持ちの方で細菌性髄膜炎を発症する場合があります。すぐに抗生剤点滴などの入院治療が必要となります。
脳炎は脳の内部にまで炎症が及び、発熱、意識障害、けいれん、認知機能障害などを伴います。ヘルペスウィルスが最も多い原因とされますが、そのほか帯状疱疹ウィルスや、日本脳炎ウィルスなども原因となります。ウィルス性脳炎のほか、自己免疫性脳炎という病気もあります。発熱や感染兆候が目立たない一方で、人格変化や認知機能障害などの精神症状が強く出ることが特徴です。
髄膜炎/脳炎の診断には血液検査のほか、CT/MRI、腰椎穿刺による髄液検査が用いられます。入院可能な医療機関との連携が重要となります。
ギラン・バレー症候群とは、風邪や胃腸炎、食中毒などにかかった後、1~3週間ほど経ってから発症する、末梢神経の病気です。本来、体を守るはずの「免疫」のシステムが、誤って自分の神経を攻撃してしまうことで、手足の筋肉が麻痺したり、しびれが出たりします。比較的有名な病気ですが、年間10万人に1〜2人程度が発症します。
先行感染といわれる風邪症状や、下痢などの胃腸炎症状が見られたのち、いったん症状おさまったあとに遅れて手足のしびれや脱力などの症状が表れます。特に鶏肉生食などによる食中毒菌であるカンピロバクターが原因として有名です。
数日から2週間程度かけて症状が徐々に悪化したのち、1か月以内にピークを超えて症状の改善が見られ始めるのが典型的な経過です。なかには、呼吸が苦しくなって人工呼吸器管理が必要となる重症例も見られます。
また、目を動かす筋肉の異常が出てものが二重に見えたり、ふらついて歩けなくなる失調が合併するフィッシャー症候群という亜型もあります。
特殊な採血による自己抗体(抗GM1抗体、抗GQ1b抗体)検査、髄液検査、MRIによる他疾患の否定などを行います。症状からギランバレー症候群が強く疑われる際は、多くの場合入院が必要となります。
重症筋無力症、多発性硬化症、周期性四肢麻痺、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、多発筋炎/皮膚筋炎、むずむず脚症候群など
当院では、脳神経内科領域の幅広い疾患に対し、的確な初期診断と、専門医療機関との橋渡し、包括的な外来フォローアップを提供しています。
慢性疾患から急性疾患まで、一人ひとりの症状や生活背景に応じた治療計画を立て、安心して受診いただける環境を整えています。脳や神経に関して気になる症状がある場合は、早めにご相談ください。
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